2016年総まとめ「マナビバ。」フォーラム

これまで2回にわたって勉強会(トークとディスカッション)が開催されてきましたが、総まとめとなるフォーラムがいわき市の商業施設「ラトブ」で開催されました。

震災復興における文化政策の意義や役割を考えるための機会を創出しようという文化セミナー「マナビバ」。これまで2回にわたって勉強会(トークとディスカッション)が開催されてきましたが、総まとめとなるフォーラムが、12月17日にいわき市の商業施設「ラトブ」にて開催されました。国内の実例発表なども交えながら、文化政策の必要性についての様々な意見交換。当日の模様をご紹介します。

フォーラムは基調講演からスタート。ゲストは、東京大学大学院の教授で、地方自治体の文化振興計画の立案、策定などを行っている小林真理さんです。文化政策を取り巻く環境の変化などを解説頂きながら、本フォーラムのテーマである「なぜ文化に政策が必要なのか」について40分に渡って講演を頂きました。

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特に時間を割いて紹介して頂いたのが「仕組みづくり」について。小林先生は「文化が発展していくための環境づくりを市民とともに考えることが重要だと」前提を説明した上で、「誰がコーディネートするのか、誰がその役割を担うのかを慎重に吟味しながら、最終的には、市民自身から『わたしたちの文化だ』と言えるものにしていく必要がある」と、地域の人たちに間に定着していくことを考えるべきと語りました。

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続いて、神戸市の職員で文化行政に関わる宮道成彦さん、さらに、大分市で「トイレンナーレ」に関わる大分市職員の佐藤栄介さんから実例報告がありました。阪神淡路大震災後の文化からの復興を手がけた宮道さん、さらには地域づくりの面で全国的に注目を浴びている大分のアートプロジェクトの現場を知る佐藤さん、現場を知り尽くしたお2人の話はとても説得力がありました。

成功事例に共通するのは、自治体によるビジョン策定もさることながら、持続性を持って取り組むための「チームづくり」の妙。自治体の既存の枠組みに左右されない人材の登用や、地域づくりの担い手との積極的な協働で、単年では実現できない懐の深い事業に練り上げていることが神戸市、大分市の共通項かもしれません。

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そして最後に開催されたのが、いわきアリオスの支配人である大石時雄さん、東京アートポイント計画ディレクターの森司さん(モデレーター)を加えた5人でのパネルディスカッション。森さんの司会のもと、それぞれの立場から組織づくりや政策立案についての意見が交換されました。

文化行政の立案をテーマにしたフォーラムということもあり、いわき市の職員など文化行政に関わる当事者が多く参加したこの日。盛んにメモを取って現場に活かそうという人たちの姿が目立ちました。震災・原発事故という未曾有の災害を経験したいわき市。文化によってコミュニティの分断を縫合していこうというアプローチも始まっており、この日のフォーラムは、数々の知見を得つつ、その知見をいわき市にどのような形で応用するのかを考える、とても重要な時間になったかと思います。